マンションの管理組合Aが、施工会社Bとの間で締結したリフォーム工事の請負契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、適切なものはいくつあるか。
ア Aは、Bとの別段の合意がない限り、Bに対し、仕事に着手した時に報酬の全額を支払わなければならない。
イ Aは、仕事が完成した後でも、Bに生じた損害を賠償して請負契約を解除することができる。
ウ Bの行ったリフォーム工事に契約不適合がある場合、Aは、その不適合を知った時から1年以内にその旨をBに対して通知しなければ、履行の追完の請求をすることができない。
エ請負契約が仕事の完成前に解除された場合であっても、Bが既にしたリフォーム工事によってAが利益を受けるときは、Bは、Aが受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
正答2
解説
正解は2(適切なものは二つ)。
請負契約の報酬支払時期、注文者の解除権、契約不適合の通知期間、割合的報酬を問う問題です。
【選択肢別解説】
ア:× 請負の報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に支払わなければならないのが原則です(民法633条)。
「仕事に着手した時に報酬の全額を支払わなければならない」とする点が誤りです。
イ:× 注文者が損害を賠償して請負契約を解除できるのは、請負人が仕事を完成しない間に限られます(民法641条)。
「仕事が完成した後でも」解除できるとする点が誤りです。
ウ:○ 注文者は、目的物の種類又は品質に関する契約不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、履行の追完請求、報酬減額請求、損害賠償請求及び解除をすることができません(民法637条1項)。
ただし、請負人が引渡し時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この制限はありません(同条2項)。
エ:○ 請負が仕事の完成前に解除された場合でも、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなし、請負人は注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求できます(民法634条2号)。
よって適切なものはウ・エの二つです。
【ポイント】
注文者の任意解除(民法641条)は「完成前」まで、契約不適合の通知期間は「知った時から1年」です。
割合的報酬(民法634条)は2020年4月施行の改正民法で明文化された論点です。