以下の文章は、マンションの管理組合が有する管理費等の債権が、民法第169条に定める5年の消滅時効に服すると判示した最高裁判所の判決の一部である。
その文中の(ア)〜(エ)に入るべき語句の組み合わせとして、正しいものは次の1〜4のうちどれか。
「管理費等の債権は、・・(略)・・、(ア)の規定に基づいて、区分所有者に対して発生するものであり、その具体的な額は(イ)の決議によって確定し、月ごとに所定の方法で支払われるものである。このような・・(略)・・管理費等の債権は、基本権たる(ウ)から派生する(エ)として、民法169条所定の債権に当たるというべきである。」(ア)(イ)(ウ)(エ)
正答4
解説
正解は4。
管理費等の債権が旧民法169条の定期給付債権として5年の短期消滅時効に服するとした最高裁判決(最判平成16年4月23日)の判旨を問う問題です。
【選択肢別解説】
判決文の該当部分は「管理費等の債権は、(中略)管理規約の規定に基づいて、区分所有者に対して発生するものであり、その具体的な額は総会の決議によって確定し、月ごとに所定の方法で支払われるものである。
このような(中略)管理費等の債権は、基本権たる定期金債権から派生する支分権として、民法169条所定の債権に当たる」です。
よって(ア)管理規約、(イ)総会、(ウ)定期金債権、(エ)支分権となります。
1:× (イ)を「理事会」、(ウ)を「定期給付債権」、(エ)を「分割債権」としている点が誤りです。
管理費等の具体的な額を確定するのは理事会ではなく総会の決議です。
2:× (ア)を「建物の区分所有等に関する法律」、(イ)を「理事会」、(ウ)を「定期給付債権」としている点が誤りです。
管理費等の債権は区分所有法から直接発生するのではなく、管理規約の規定に基づいて発生します。
3:× (ア)を「建物の区分所有等に関する法律」、(イ)を「集会」、(エ)を「分割債権」としている点が誤りです。
月々の管理費は、基本権である定期金債権から派生する「支分権」であり、一つの債権を分割したものではありません。
4:○ (ア)管理規約、(イ)総会、(ウ)定期金債権、(エ)支分権で、判決文のとおりです。
【ポイント】
「基本権=定期金債権、毎月の管理費=支分権」という構造が5年の短期消滅時効の根拠です。
※現行民法では旧169条は削除され、管理費債権も一般の債権と同じく、権利を行使できることを知った時から5年(又は行使できる時から10年)で時効消滅します(民法166条1項)。