地震等の災害時に備えて管理組合が共用部分の工事を行う場合の次の記述のうち、区分所有法の規定及び標準管理規約によれば、集会(総会) の普通決議で行うことができないものはどれか。
正答1
解説
正解は1。
災害対策のための共用部分の工事が、普通決議で足りる工事か、形状又は効用の著しい変更を伴う特別決議事項かを判断する問題です。
【選択肢別解説】
1:×(普通決議では行えない) 地下の駐輪場に壁と扉を設けて災害用の備蓄倉庫とすることは、共用部分の用途(効用)を駐輪場から倉庫へと変更し、形状も変える工事です。
共用部分の形状又は効用の著しい変更に当たり、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別決議が必要です(区分所有法17条1項、標準管理規約47条3項2号・コメント)。
2:○(普通決議で可) エレベーターを地震時管制運転装置付きのものに更新することは、既存設備の性能を向上させる改良工事で、形状又は効用の著しい変更を伴わないので普通決議で行えます(標準管理規約47条関係コメント)。
3:○(普通決議で可) 玄関扉を枠を含めて耐震(対震)性のあるものに更新することは、管理組合が計画修繕として一括して行う改良工事で、形状又は効用の著しい変更を伴わないので普通決議で行えます(標準管理規約22条・47条関係コメント)。
4:○(普通決議で可) ブロック塀に控壁を設置することは、倒壊防止のための補強工事であり、形状又は効用の著しい変更を伴わないので普通決議で行えます。
【ポイント】
「設備の性能を上げる更新・補強」は普通決議、「用途そのものを変える・大がかりな加工を伴う」工事は特別決議、が判断の目安です。
※2026年4月施行の改正区分所有法では、集会に出席した区分所有者の多数で決する仕組み(出席者多数決)が導入され、共用部分の変更の決議要件の数え方も改められています。