32歳の女性。
百日咳のため咳が数週間続いている。
激しい咳をしたとき右側胸部に激痛を自覚した。
患部に腫脹はないが右第7肋骨に限局性圧痛がみられた。
他に考えられる症状はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
咳による肋骨骨折(咳骨折)で考えられる症状を問う問題です。
激しい咳を繰り返すと、肋骨に付着する筋の収縮が繰り返され、肋骨に疲労骨折が生じることがあります。
本例は第7肋骨に限局性圧痛があり、腫脹はみられません。
【選択肢別解説】
1:× 軋轢音は、完全骨折で骨片同士がこすれ合うときに生じます。
咳による肋骨骨折は不全骨折や転位のない骨折が多く、軋轢音は通常みられません。
2:× 屈曲変形は、強い直達外力で骨片が転位したときにみられます。
咳による骨折では転位がほとんどなく、屈曲変形は生じにくいです。
3:× 皮下出血斑は、打撲などの直達外力で軟部組織が損傷したときに出やすい所見です。
本例は打撲がなく、患部に腫脹もないため、皮下出血斑は考えにくいです。
4:○ 上肢運動時痛が考えられます。
肋骨には大胸筋・前鋸筋・広背筋など上肢を動かす筋が付着しています。
上肢を動かすとこれらの筋が骨折部の肋骨を引くため、痛みが誘発されます。
【ポイント】
肋骨骨折では、深呼吸・咳・くしゃみ・上肢の運動で骨折部の痛みが増強します。
咳骨折は転位が少なく、限局性圧痛と介達痛(胸郭の圧迫で痛む)が診断の手がかりです。