A さん(19 歳、初産婦)は高校在学中に妊娠し、卒業後、妊娠 38 週で近くのクリニックで出産し、母子ともに経過良好である。
A さんは現在、実母と同居している。
パートナー(18 歳、アルバイト)は近隣に住み、入籍はしたが同居の予定はない。
退院 2 週後、市の助産師が A さん宅への新生児訪問を実施した。
A さんは「母やパートナーは仕事で忙しく、話をする時間がなくて寂しい。入院時に育児のことを教えてもらったけど、どうしていいか分からなくなることがある。赤ちゃんはよく泣きます。母乳をあげた後、不安なのでミルクを追加しています」と話した。
児の前額には脂漏性湿疹がみられた。
児の衣服は整っている。
母乳分泌は良好で、児の体重増加は 60 g/日である。
助産師は、児の洗顔と体温調節の方法を指導し、母乳だけで様子を見るように伝えた。
A さんの妊娠をきっかけに、高校では性教育の必要性を実感し、市の助産師に性教育を依頼した。
依頼を受けた助産師は、包括的セクシュアリティ教育を取り入れた性教育を行うことにした。
教育内容に取り入れるのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・2
解説
正解は1と2です。
包括的セクシュアリティ教育は、ユネスコなどが示す国際的な性教育の考え方です。
身体の仕組みだけでなく、人間関係・価値観・権利・ジェンダー・健康を幅広く扱い、自分で判断して行動する力を育てることを目指します。
【選択肢別解説】
1:○ 対人関係スキル(気持ちの伝え方、断り方、同意の取り方など)は、包括的セクシュアリティ教育の中心的な内容の1つです。
2:○ 性感染症を予防する具体的な方法(コンドームの正しい使い方、検査の受け方など)を教えることも含まれます。
正確な知識が、自分を守る行動につながります。
3:× 避妊具の携帯を恥ずかしいこととする教え方は、避妊行動を妨げます。
避妊は自分と相手を守る責任ある行動として伝えます。
4:× 人工妊娠中絶を倫理的に問題であると一方的に教えるのは、価値観の押しつけになります。
包括的セクシュアリティ教育は、事実に基づいて自分で考える力を育てることを重視します。
5:× 社会共通の価値観を守るよう求めるのではなく、多様な価値観があることを知り、自分の価値観について考えられるようにします。
【ポイント】
包括的セクシュアリティ教育は「科学的に正確」「人権の尊重」「ジェンダー平等」「年齢に応じた段階的な学び」を特徴とします。
禁止や恐怖で行動を抑えるのではなく、選択できる力を育てる教育です。