正答3
解説
正解は3です。
高齢者の声の出しづらさと、両側声帯の弓状弛緩という所見から疾患を判断する問題です。
弓状弛緩とは、声帯が弓のように内側に反って、発声時に声門の中央にすき間ができる状態です。
【選択肢別解説】
1:× 声帯結節は、両側の声帯の前1/3付近に小さな隆起ができる病変です。
声の酷使によるもので、弓状弛緩は示しません。
2:× 声帯嚢胞は、声帯の内部に袋状の病変ができるものです。
多くは片側性の腫瘤で、弓状弛緩は示しません。
3:○ 声帯萎縮が該当します。
加齢により声帯の筋や粘膜がやせると、声帯が弓状に弛緩し、発声時に声門のすき間が残ります。
その結果、息もれの多い弱い声になり、声が出しづらくなります。
4:× 喉頭肉芽腫は、主に声帯後方の声帯突起部にできる隆起性病変です。
胃食道逆流や気管内挿管などが原因で、弓状弛緩は示しません。
5:× ポリープ様声帯は、声帯全長が浮腫状に腫れる病変です。
声は低くなりますが、弓状弛緩とは異なります。
【ポイント】
声帯萎縮は老人性の音声障害の代表です。
内視鏡では弓状弛緩と紡錘状の声門閉鎖不全が特徴で、音声治療として声門閉鎖を促す訓練が行われます。
【用語】
弓状弛緩:声帯が弓のように内側に反り、発声時に声門の中央にすき間ができる状態である。
声帯萎縮:加齢などで声帯の筋や粘膜がやせ、声門が閉じにくくなる病態である。
喉頭肉芽腫:主に声帯後方の声帯突起部にできる隆起性の病変である。
喉頭内視鏡検査:内視鏡で喉頭や声帯の動き、形を直接観察する検査である。