正答5
解説
正解は5です。
喉頭全摘出術に併せて行う頸部郭清術では、頸部のリンパ節とともに周囲の組織を切除するため、特有の合併症が起こります。
この問題は合併症でないものを選ぶので、○ が答え(合併症ではないもの)です。
【選択肢別解説】
1:× 乳び瘻は頸部郭清術の合併症です。
特に左側の郭清で胸管を損傷すると、乳び(リンパ液)が漏れ出します。
2:× 顔面浮腫は合併症です。
両側の内頸静脈を切除すると、顔面や頭部の静脈還流が障害されて浮腫が起こります。
3:× 肩挙上障害は合併症です。
副神経を損傷または切除すると僧帽筋が麻痺し、肩が挙がりにくくなります。
4:× 頭部回旋障害は合併症です。
胸鎖乳突筋を切除すると、頭部を回す動きが障害されます。
5:○ 食道発声獲得不能は頸部郭清術の合併症ではありません。
喉頭全摘出術では食道が温存されるので、食道発声の獲得は可能です。
【ポイント】
頸部郭清術の合併症は「切除した構造」から考えます。
胸管なら乳び瘻、内頸静脈なら顔面浮腫、副神経なら肩挙上障害です。
【用語】
頸部郭清術:頸部のリンパ節とその周囲の組織をまとめて切除し、がんの転移を取り除く手術である。
乳び瘻:胸管などのリンパ管を傷つけたために、脂肪を含む白いリンパ液が創部から漏れ出る状態である。
喉頭全摘出術:喉頭がんなどで喉頭をすべて切除する手術で、声を失い気管孔を造設する。
食道発声:食道に取り込んだ空気を逆流させ、食道入口部の粘膜を振動させて声を出す代用発声である。
肩挙上障害:副神経の損傷により僧帽筋が働かず、肩を持ち上げにくくなる状態である。