正解を2つ選んでください。
正答3・4
解説
正解は3と4です。
舌半側切除術では舌の容積や可動性が低下し、舌を使って作る音の明瞭度が低下します。
特に、舌と口蓋で閉鎖を作る必要のある子音が障害されやすくなります。
【選択肢別解説】
1:× [a]は明瞭度が大きく低下しにくい音です。
舌を低い位置に置いたまま口を大きく開けて作る母音で、舌の細かな操作をあまり必要としません。
2:× [h]は明瞭度が低下しにくい音です。
声門で作る摩擦音で、舌を使いません。
3:○ [k]は明瞭度が低下します。
舌の後方(奥舌)を軟口蓋に接触させて閉鎖を作る必要があり、舌の切除で閉鎖が不十分になります。
4:○ [t]は明瞭度が低下します。
舌の先を歯茎に接触させて閉鎖を作る必要があり、舌の切除で正確な閉鎖が困難になります。
5:× [Φ]は明瞭度が低下しにくい音です。
上下の唇を近づけて作る両唇摩擦音で、舌を使いません。
【ポイント】
舌切除後は、舌を使う子音(舌尖音、奥舌音)の明瞭度が低下しやすいです。
切除範囲が広い場合は、舌接触補助床(PAP)を用いて舌と口蓋の接触を補います。
【用語】
舌半側切除術:舌がんなどの治療で、舌の左右どちらか半分を切除する手術である。
明瞭度:話した内容が、聞き手にどれだけ正しく聞き取られるかを示す割合である。
舌尖音:舌の先を使って作る音のことで、/t/や/d/などがこれにあたる。
奥舌音:舌の後方を軟口蓋に近づけたり接触させたりして作る音のことで、/k/や/g/などがこれにあたる。
舌接触補助床:舌と口蓋の接触を補うために、口蓋に装着する床状の装置で、略称はPAPである。
両唇摩擦音:上下の唇を近づけて、そのすき間から息を出して作る摩擦音を指す。