正答3
解説
正解は3です。
未熟構音とは、構音の発達の途中で一時的にみられる誤りで、成長とともに自然に改善することが多いものです。
目標語と表出音の対応から、どの誤り方が発達途上の典型的な誤りに当たらないかを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 「ハッパ」が「アッパ」となるのは、/h/の省略です。
幼児期によくみられる誤りで、未熟構音の可能性があります。
2:× 「チャ」が「タ」となるのは、破擦音が破裂音に置き換わる誤りです。
発達の途中でよくみられる未熟構音です。
3:○ 「シ」が「ヒ」に近い音になるのは、通常の構音発達の過程ではあまりみられない誤りです。
声門摩擦音や側音化構音などの異常構音の可能性を考える必要があり、未熟構音の可能性は最も低いといえます。
4:× 「サ」が「シャ」となるのは、/s/が/ɕ/(シャ行の子音)に置き換わる誤りです。
サ行音が完成する前によくみられる未熟構音です。
5:× 「ツ」が「チュ」となるのは、/ts/が/tɕ/に置き換わる誤りです。
サ行・ツの習得途上でよくみられる未熟構音です。
【ポイント】
サ行音やツは習得が遅く、「タ行化」「シャ行化」「チャ行化」は発達途上の典型的な誤りです。
発達の順序から外れた誤りや、通常の音の体系にない音への置換は、異常構音を疑う手がかりになります。
【用語】
未熟構音:構音の発達の途中で一時的にみられる、成長とともに自然に改善することの多い構音の未熟さである。
異常構音:通常の構音発達の過程ではみられない、特異な構音操作による誤りの総称である。
側音化構音:舌が口蓋に広く接し、呼気が舌の側方から出ることで音がゆがむ異常構音である。