正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3です。
左右(両側)反回神経麻痺で、声門閉鎖不全による誤嚥と嗄声が続く患者への対応を問う問題です。
嗄声と誤嚥が持続していることから、声帯が十分に閉じない位置で固定していると考えられます。
声門の閉鎖を補う方法が誤嚥の軽減に役立ちます。
【選択肢別解説】
1:× 気管切開は気道を確保する処置です。
喉頭の挙上を妨げ、声門下圧も下がるため、かえって誤嚥を増やすことがあります。
2:○ 息こらえ嚥下法は、飲み込む前に息を止めて声門を閉じ、嚥下後すぐに咳をして残留物を出す方法です。
声門閉鎖を意識的に強めることで誤嚥を減らせます。
3:○ 甲状軟骨形成術Ⅰ型は、甲状軟骨に窓を開けて麻痺した声帯を内側へ押し出す手術です。
声門の閉鎖が改善し、誤嚥と嗄声の両方が軽くなります。
4:× 頭部挙上訓練は、舌骨上筋群を鍛えて食道入口部の開大を促す訓練です。
声門閉鎖不全に対する直接の治療ではありません。
5:× ブローイング訓練は、吹く動作で鼻咽腔閉鎖機能を高める訓練です。
声門閉鎖不全による誤嚥の軽減にはつながりません。
【ポイント】
声門閉鎖不全による誤嚥には、息こらえ嚥下、声門閉鎖を強める訓練、声帯内方移動術などで対応します。
頭部挙上訓練は食道入口部の開大不全に用いる訓練として区別しましょう。
【用語】
反回神経麻痺:声帯を動かす反回神経が麻痺して、声帯が動かなくなる状態である。
息こらえ嚥下法:息を止めて声門を閉じたまま飲み込み、誤嚥を防ぐ方法である。
甲状軟骨形成術Ⅰ型:声帯を内側に押し込んで声門閉鎖を改善する、甲状軟骨を用いた手術である。
頭部挙上訓練:仰向けで頭を持ち上げ、舌骨上筋群を鍛えて食道入口部を広げる訓練である。
ブローイング訓練:ストローなどで息を吹いて、鼻咽腔閉鎖を強化する訓練である。