正解を2つ選んでください。
正答4・5
解説
正解は4と5です。
7歳3か月の男児の知能検査と認知・習得度検査の結果から、除外できる障害を判断する問題です。
【図の所見】
WISC-IVでは、全検査IQ(FSIQ)が95で平均域です。
指標得点は、言語理解(VCI)82で境界域、知覚推理(PRI)111、ワーキングメモリー(WMI)88、処理速度(PSI)104です。
K-ABCでは、継次処理尺度82、同時処理尺度105、認知処理過程尺度94、習得度尺度98です。
習得度の下位検査は、算数99、なぞなぞ99、ことばの読み103、文の理解93で、いずれも平均域です。
総合尺度間の比較では、継次処理が同時処理や習得度より有意に低いと示されています。
【選択肢別解説】
1:× 習得度の「ことばの読み」は平均域ですが、読みの流暢さや書字は評価されていません。
継次処理の弱さは読み書きの困難と関連することもあるため、この結果だけでは除外できません。
2:× 言語理解(VCI)が82と境界域で、ほかの指標より低くなっています。
言語面の弱さがあるため、特異的言語発達障害は除外できません。
3:× これらの検査は知能や認知処理、学習の習得度を調べるもので、対人関係やこだわりなどの行動特性は評価していません。
そのため自閉症スペクトラム障害は除外できません。
4:○ 全検査IQが95と平均域にあるため、知的障害の基準(おおむねIQ70未満)には当てはまりません。
知的障害は除外できます。
5:○ K-ABCの算数は標準得点99で、相当年齢も7歳0か月と生活年齢にほぼ見合っています。
算数の習得に遅れがないため、算数障害は除外できます。
【ポイント】
知的障害の判断には全般的な知能水準、学習障害の判断には知能と学力の差を確認します。
検査で評価していない領域の障害は、結果が平均域でも除外できない点に注意しましょう。
【用語】
発達性読み書き障害:知的な遅れがないのに、文字の読み書きに著しい困難をもつ学習障害である。
特異的言語発達障害:知的障害や聴覚障害などがないのに、言語の発達だけが遅れる状態である。
自閉症スペクトラム障害:対人関係の困難とこだわりを特徴とし、特性の現れ方に幅のある発達障害である。
算数障害:知的な遅れがないのに、数の概念や計算に著しい困難をもつ学習障害である。
WISC-IV:ウェクスラー児童用知能検査第4版のことで、全検査IQと4つの指標得点を求める。
K-ABC:カウフマンらによる子ども用の検査で、認知処理過程と習得度を分けて測定する。