正答4
解説
正解は4です。
食物を用いた経口摂取訓練を始めてよい状態かどうかの判断を問う問題です。
経口摂取訓練の前提は、意識が清明に近く、全身状態が安定し、誤嚥しても喀出できることです。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(経口摂取訓練を行う状態として適切でないもの)です。
【選択肢別解説】
1:× 適切です。
自立歩行ができないことは、経口摂取訓練を行えない理由にはなりません。
座位が保てれば訓練は可能です。
2:× 適切です。
気管切開を受けていても、カニューレの種類やカフの管理を工夫すれば経口摂取訓練は可能です。
3:× 適切です。
咳嗽反射が保たれていれば、誤嚥したときに喀出できるため、訓練を行う条件として望ましい状態です。
4:○ 適切ではありません。
JCS20は大きな声や体を揺さぶることで開眼する状態で、刺激がないと眠ってしまうため、誤嚥の危険が高く経口摂取訓練は行えません。
一般に意識レベルはJCS1桁が目安です。
5:× 適切です。
血中酸素飽和度95%は正常範囲で、呼吸状態は安定しています。
【ポイント】
JCSは1桁が覚醒している状態、2桁が刺激で覚醒する状態、3桁が刺激しても覚醒しない状態です。
経口摂取の開始には、意識、呼吸状態、咳嗽力、口腔衛生を総合的に評価します。
【用語】
経口摂取訓練:実際の食物を口から食べて行う嚥下の訓練を指し、全身状態が安定してから始める。
咳嗽反射:気道に入った異物を咳で外へ出そうとする反射である。
JCS:ジャパン・コーマ・スケールの略で、意識障害の程度を覚醒の度合いにより1桁・2桁・3桁の数字で表す尺度である。
血中酸素飽和度:血液中のヘモグロビンのうち、酸素と結合している割合を示す値である。
気管切開:首の前側から気管に穴を開けて、空気の通り道を確保する処置である。