エタノール中、ナトリウムエトキシドによる(S)-2-ブロモペンタンのE2反応では、3つのアルケンA~Cが生成する。
以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
なお、Newman投影式Ⅰ~Ⅲは(S)-2-ブロモペンタンの配座異性体を表している。
(図:(S)-2-ブロモペンタン(H3C-CH2-CH2-CH(Br)(H)-CH3、Br置換炭素にH・Br・CH3の立体配置を示すくさび形表記)にNaOCH2CH3/CH3CH2OHを反応させ、アルケンA(H3C-CH=CH-CH2CH3のE体、H3CとHが同側)、アルケンB(H3C-CH=CH-CH2CH3のZ体、H3CとCH3が同側)、アルケンC(H2C=CH-CH2-CH2-CH3、末端アルケン)の3種が生成する反応式。加えて、出発物質の3つのNewman投影式Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(C2-C3結合まわりの立体配座で、Br・H・CH2CH3・CH3・Hの配置がそれぞれ異なる)が示されている。テキスト化困難なため図を参照。)
正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3。
E2脱離はアンチペリプラナー配座(脱離基Brとβ水素の二面角が180°)から進行しやすく、エトキシドは立体障害の小さい塩基でありZaitsev則に従ってより置換基の多い安定なアルケンが優先するため、末端アルケンCよりも内部アルケンA・B(2-ペンテン)の生成が優位となり、AとBを合わせた収率はCの収率より大きい。
脱離基を臭素から塩素に置き換えるとC-Cl結合はC-Br結合より強く脱離能が低いため脱離反応の速度は遅くなる。
E2は一段階の協奏反応でカルボカチオン中間体を経由せず、強塩基が関与する二次反応のためエトキシド濃度を変えれば反応速度は変化する。
配座異性体Ⅰ~ⅢのうちBrとアンチ関係にあるβ水素の位置から生成物を検討すると、Aを与えるのはⅠでありⅢから生成するのはBであるため、ⅢからAが生成するという記述は誤りである。