54歳女性。
体重60 kg。
腋窩リンパ節転移が著明な進行性乳がんと診断され、トラスツズマブを含む化学療法を継続していた。
最近の画像検査にて肝転移を認めたため、以下の化学療法を施行することとなった。
(化学療法レジメン)
薬品名|投与経路|投与時間/①生理食塩液50 mL|点滴静注|5分/②トラスツズマブ エムタンシン(注)3.6 mg/kg+生理食塩液250 mL|点滴静注|90分/③生理食塩液50 mL|点滴静注|5分
1クールの日数:21日
(注)トラスツズマブに抗がん薬DM1が結合した構造を有する薬剤で、白色の塊である。
本化学療法レジメンの運用に際して院内で合意された内容のうち、適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答5
解説
正解は5。
トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)は蛋白質複合体であり、投与時に微細な粒子(蛋白質凝集物)を含みうるため、インラインフィルターを用いて投与することが添付文書上定められている。
本剤は日局注射用水(100 mgバイアルに5 mL、160 mgバイアルに8 mL)で溶解したうえで日局生理食塩液250 mLに希釈する製剤であり、ブドウ糖溶液との混合は避けることとされているため5%ブドウ糖液で溶解することはできず、初回投与はinfusion reaction等のリスクが高いため90分間の投与時間短縮は認められず(短縮は忍容性良好であった2回目以降が対象)、前後の生理食塩液によるフラッシュはルート内の薬剤残存防止や配合変化回避のため省略すべきではない。