食道がん全摘出後の患者(体重65 kg)の栄養管理として、高カロリー輸液による中心静脈栄養法が実施されていた。
NST(栄養サポートチーム)が患者ラウンドを行った際に、患者の皮膚状態が乾燥し、鱗状になっていることを発見した。
NSTの薬剤師は、必須脂肪酸欠乏を疑い、医師らとともに他の臨床症状や検査値を確認した。
協議の結果、静注用脂肪乳剤(イントラリポス®輸液20%、100 mL、1本)を投与することになった。
看護師から病棟薬剤師に、静注用脂肪乳剤を投与する時の注意点について質問があった。
薬剤師による説明として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2。
静注用脂肪乳剤は急速投与すると血中の脂肪粒子(カイロミクロン様粒子)がリポ蛋白リパーゼによる代謝処理能を超えて過剰に蓄積し、脂肪過負荷症候群(発熱・肝機能障害・凝固異常等)を起こすおそれがあるため、緩徐に(目安として3時間以上かけて)投与する必要がある。
高カロリー輸液との直接混合は配合変化(乳化破壊)のリスクがあるため避け、フィルターも脂肪粒子を捕捉してしまう0.2 μm孔径のものは使用しない。
また脂肪乳剤はポリカーボネート製の三方活栓や輸液セット接合部にひび割れを生じさせ、薬液漏れや空気混入の原因となるため、ポリカーボネート製の器具は使用しない。