ある非電解質性薬物の安定形結晶と準安定形結晶を、固相が常に存在する状態でそれぞれ一定温度の水に溶解したところ、図に示す薬物濃度―時間曲線I及びIIが得られた。
この薬物の溶解挙動に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図:縦軸 薬物濃度(mg/mL)、横軸 時間(分)。曲線I(破線)は0分で約2.5から立ち上がり約6分以降6 mg/mLで平坦になる。曲線II(実線)はア(3分付近でピーク約12.3)まで急上昇したのち低下し、イ(20分以降)で6 mg/mL付近に収束する。)
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5。
曲線Iは初期から単調に上昇し6 mg/mLで平衡に達しており、これは安定形結晶の溶解曲線であり、その到達濃度6 mg/mLが安定形結晶の(真の)溶解度である。
曲線IIは準安定形結晶の溶解曲線で、準安定形は安定形より溶解度が高いため一旦アの付近で高濃度(過飽和)となるが、時間とともに溶液を介して安定形へ転移(溶液媒介転移)し、イの付近では固相の大部分が安定形結晶に置き換わり、溶液も安定形の溶解度である6 mg/mL付近まで低下して平衡化する。
したがってアの付近ではまだ準安定形結晶が主体であり、イの付近では既に過飽和状態は解消されている。