ある薬物10 mgを被験者に急速静脈内投与した後、薬物の血中濃度及び尿中排泄量を測定したところ、血中濃度時間曲線下面積は0.20 mg・h/L、尿中総排泄量は2.0 mgであった。
一方、この薬物40 mgを同一被検者に経口投与したときの尿中総排泄量は3.0 mgであった。
この薬物40 mgを経口投与したときの体内動態の説明として、正しいのはどれか。
2つ選べ。
ただし、この薬物は肝代謝及び腎排泄でのみ消失し、体内動態は線形性を示す。
また、肝血流速度は80 L/hとする。
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4。
静注時、全身クリアランスCL=投与量÷AUC=10 mg÷0.20 mg・h/L=50 L/hである。
静注後の尿中未変化体排泄率は2.0/10=0.20であり、これは全身循環に入った薬物のうち腎から未変化体で排泄される割合feに等しい。
経口40 mg投与時の尿中未変化体排泄量3.0 mgより、全身循環に到達した薬物量は3.0÷0.20=15 mgと算出できる。
腎クリアランスCLr=fe×CL=0.2×50=10 L/hであり、肝クリアランスCLh=CL-CLr=50-10=40 L/hとなるため肝クリアランスを10 L/hとする記述は誤りで、肝抽出率はCLh÷肝血流速度=40÷80=0.5(50%)であり63%ではない。
生体利用率F=15/40=0.375であり、吸収が完全なら理論上F=1-0.5=0.5となるはずが実測は0.375なので、門脈へ移行した割合はF÷(1-肝抽出率)=0.375/0.5=0.75(75%)と見積もられ90%ではない。