化学物質A〜Eの代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図:化学物質A〜Eの構造式。Aはハロタン様構造(F3C-CHClBr)。Bはジメチルニトロソアミン((H3C)2N-N=O)。Cはトリプトファン熱分解産物様のγ-カルボリン三環性構造(1位にCH3、3位にNH2をもつ 3-アミノ-1-メチル-5H-ピリド[4,3-b]インドール=Trp-P-2)。Dはパラチオン様構造(O2N-C6H4-O-P(=S)(OC2H5)2)。Eはフェナセチン様構造(4-エトキシアセトアニリド、OCH2CH3とNHCOCH3がパラ位)。)
正解を2つ選んでください。
正答2・4
解説
正解は2と4。
ジメチルニトロソアミン(B)はCYP2E1などによりα位が水酸化された後にN-脱メチル化され、生じたメチルジアゾニウムイオンがDNAをメチル化してDNA付加体を形成する。
パラチオン(D)はチオン型有機リン化合物で、CYPによる酸化的脱硫反応によりP=SがP=Oに変換されオクソン体(パラオクソン、強力なコリンエステラーゼ阻害物質)に代謝される。
ハロタン(A)のトリフルオロ酢酸への代謝はCYPによる酸化的(還元的ではない)脱ハロゲン化経路によるものであり、還元的脱ハロゲン化経路は低酸素条件下で反応性中間体を生じ肝毒性に関わる別経路である。
トリプトファン熱分解産物であるTrp-P-2(C)はCYP1A2によるN-水酸化とその後のエステル化を経て活性化されないと直接DNA付加体を形成できない。
フェナセチン(E)はCYPによる酸化的脱エチル化を受けてアセトアミノフェンとアセトアルデヒドを生じるのであり、還元反応ではない。