図は、ある化合物Aの1H-NMRスペクトル(400 MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン)を示したものである。
また、表は各シグナルの積分比を一覧にしたものである。
化合物Aの加水分解反応によって得られた化合物Bについて、同様の条件下で1H-NMRスペクトルの測定を行ったところ、アとウに相当するシグナルが消失し、11 ppm付近に線幅の広い新たなシグナルが観測された。
化合物Aの構造式はどれか。
1つ選べ。
なお、×印のシグナルは水又はCDCl3中に含まれるCHCl3のプロトンに由来するシグナルである。
表(シグナル/積分比):ア|3/イ|3/ウ|2/エ|1/オ|1/カ|1/キ|1/ク|1
(図:1H-NMRスペクトル(0〜9.0 ppm、各シグナルア〜クとその拡大図)、及び選択肢1〜5のインドール誘導体構造式)
正答3
解説
正解は3。
B(化合物Aの加水分解物)で消失したアとウはそれぞれ3H(トリプレット)と2H(カルテット)のエチルエステル(-OCH2CH3)由来のシグナルであり、11 ppm付近に現れた新シグナルはカルボン酸のOHである。
したがってAはエチルエステルをもつ化合物であり、メチルエステルの選択肢1・4は除外される。
イは単一の3H一重線(約3.85 ppm)でありインドール環上の芳香族メトキシ基1つ分に相当し、選択肢2のように芳香環メチル基とメトキシ基の2つのメチル系シグナルをもつ構造や、選択肢5のように環メチル基(約2.2 ppm付近)とフェノール性OHをもつ構造とは一致しない。
よってエ〜クの芳香族・NHシグナルパターンとも整合する5-メトキシインドール-2-カルボン酸エチルエステル(選択肢3)が化合物Aである。