新生児マススクリーニングは、先天性代謝異常を出生直後に早期発見し、栄養療法による早期治療を目指す事業である。
近年、新たな新生児マススクリーニングとしてタンデムマス法を用いた脂肪酸代謝異常症の検査が始まった。
検査できる主な脂肪酸代謝異常症には、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT-1)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症がある。
図1はヒトにおける長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸の代謝の概略である。
ミトコンドリアにおいて、VLCADは長鎖脂肪酸、MCADは中鎖脂肪酸のβ酸化に関与する。
問139 新生児マススクリーニングで使われているタンデムマス法は、2段の質量分離部を用いる方法である。
以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答3・5
解説
正解は3と5。
1段目の質量分離部で選別される特定の質量電荷比を持つイオンをプリカーサーイオンと呼び(3正しい)、タンデムマス法はアミノ酸や有機酸、アシルカルニチン等の代謝物を一斉に分析できるため新生児マススクリーニングに広く応用されている(5正しい)。
タンデムマス法の2つの質量分離部は直列に配置され、1段目で選別したプリカーサーイオンを2段目で解析する構成であり並列ではないため1は誤り。
試料は主にエレクトロスプレーイオン化法(ESI)でイオン化されるものであり、冷蒸気法は水銀分析等に用いる手法でありMSのイオン化法ではないため2は誤り。
プリカーサーイオンはコリジョンセル内で不活性ガスとの衝突により誘起解離(CID)を起こしプロダクトイオンを生じるのであって、電子を衝突させる方式ではないため4は誤り。