以下に示すE2反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
化合物A(1-クロロ-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン、Cl・イソプロピル基・メチル基が置換したシクロヘキサン)にNaOC2H5を作用させると、B(3-イソプロピル-6-メチルシクロヘキセン、Clが脱離してメチル基側の隣接炭素との間に二重結合ができた二置換アルケン)とC(1-イソプロピル-4-メチルシクロヘキセン、イソプロピル基が結合した炭素上に二重結合ができた三置換アルケン)が生成する。
また、Aの2つのいす形立体配座I・IIが示されている(I:イソプロピル基とメチル基がアキシアル位、Clがエカトリアル位。II:Iを環反転させた配座で、イソプロピル基とメチル基がエカトリアル位、Clがアキシアル位)。
(詳細は図を参照)
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5。
かさ高いイソプロピル基とメチル基がいずれもエカトリアル位に収まる配座IIは立体ひずみが小さく、化合物Aの最も安定な立体配座はIIである(1正しい)。
E2反応は求核剤(塩基)による水素引き抜きと脱離基の脱離が協奏的に進行する二分子反応であり、反応速度は基質及び塩基の両方の濃度に比例する二次反応となる(5正しい)。
配座IIではClが脱離に必要な軸方向の位置にあり、脱離反応は配座IIから直接進行するため、配座Iを経由するとする2は誤り。
配座IIではClの両隣の炭素にアンチペリプラナーな軸方向水素が存在するためBとCがともに生成するが、主生成物はより置換基の多い三置換アルケンであるC(ザイツェフ生成物)であり、二置換アルケンのBではないため3は誤り。
E2は炭素陽イオン中間体を経ない協奏反応でありE1と区別されるため4は誤り。