50歳男性。
体重70 kg。
血清アルブミン値4.1 g/dL、血清クレアチニン値2.0 mg/dL。
重症のMRSA院内感染によりバンコマイシン塩酸塩を1日1回間欠点滴投与することになった。
初回は負荷投与する予定である。
この患者におけるバンコマイシンの分布容積は0.7 L/kg、半減期は24時間と見積もられている。
血液培養の結果、バンコマイシンによる最小発育阻止濃度(MIC)は1.0μg/mLであった。
バンコマイシン塩酸塩による治療及びTDMに関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4。
血清クレアチニン2.0 mg/dLと腎機能が低下した50歳男性に、重症MRSA感染症に対しバンコマイシンを負荷投与を含めて開始する症例。
バンコマイシンは主に腎排泄される薬物であり、この患者では腎機能低下により半減期が通常(約6〜8時間)より延長し24時間と見積もられている。
またヒスタミン遊離によるレッドネック(レッドマン)症候群を予防するため、点滴は1時間以上かけてゆっくり投与する必要がある。
バンコマイシンの有効性の指標はCmax/MICではなくAUC/MICであり、トラフ値のモニタリングは肝毒性ではなく腎毒性・耳毒性の回避を目的とし、本症例でアルブミン尿の記載はなくタンパク結合率低下も想定されない。