50歳男性。
体重70 kg。
血清アルブミン値4.1 g/dL、血清クレアチニン値2.0 mg/dL。
重症のMRSA院内感染によりバンコマイシン塩酸塩を1日1回間欠点滴投与することになった。
初回は負荷投与する予定である。
この患者におけるバンコマイシンの分布容積は0.7 L/kg、半減期は24時間と見積もられている。
血液培養の結果、バンコマイシンによる最小発育阻止濃度(MIC)は1.0μg/mLであった。
2回目投与直前のバンコマイシンの血中濃度が10μg/mLとなることを想定し、バンコマイシン塩酸塩の初回負荷投与を行いたい。
また、定常状態におけるトラフ値を15μg/mLとしたい。
バンコマイシンの負荷投与量と維持投与量の組合せとして適切なのはどれか。
1つ選べ。
ただし、投与量の計算において、投与に要する時間は投与間隔に対して無視できるほど短いものとし、投与中における体内からのバンコマイシンの消失は無視できるものとする。
(表:選択肢1〜6の負荷投与量(g)/維持投与量(g))
正答4
解説
正解は4。
分布容積Vd=0.7 L/kg×70 kg=49 Lとして負荷投与量・維持投与量を算出する計算問題。
半減期24時間は投与間隔(1日1回=24時間)とほぼ一致するため、1投与間隔で血中濃度はほぼ半減する。
2回目投与直前(1半減期後)の濃度を10μg/mLとしたいので、投与直後のピーク濃度はその2倍の20μg/mLが必要であり、負荷投与量=20μg/mL×49,000 mL=980,000μg≒1.00 g。
定常状態では投与間隔=半減期のとき、トラフ濃度は維持投与量/Vdにほぼ等しくなるため、目標トラフ15μg/mLより維持投与量=15μg/mL×49,000 mL=735,000μg≒0.75 g。
よって負荷投与量1.00 g、維持投与量0.75 gの組合せが適切である。