問192-193
医師から「2型糖尿病患者に脂質異常症治療薬Aを投与した際の、動脈硬化性疾患に対する予防効果(心血管疾患予防)について教えてほしい」と問合せがあった。
薬剤師が文献調査をした結果、動脈硬化性疾患の既往歴がない2型糖尿病患者(40~75歳)を、「A投与群」又は「A非投与群」の2群に無作為に割付し、心血管死、脳血管障害、急性冠症候群などの動脈硬化性の心血管イベントの発症率を比較した論文を得ることができた。
平均追跡期間は5年で、図に示した結果が得られている。
前問のデータ解析方法に関する文中の[ ]に入る適切な語句はどれか。
1つ選べ。
心血管イベント発症までの時間曲線をカプラン・マイヤー法で推定し、[ ]を用いてハザード比とその95%信頼区間を推定した。
正答3
解説
正解は3。
カプラン・マイヤー法により群ごとの生存(イベント非発症)曲線を推定した上で、2群間のハザード比とその95%信頼区間を算出するための統計手法としては、比例ハザード性を仮定して共変量を調整しつつハザード比を推定できるCox比例ハザード回帰分析が標準的に用いられる。
ログランク検定は2群の生存曲線に差があるかどうかを検定する手法ではあるが、ハザード比そのものやその信頼区間を直接算出する手法ではない。
ロジスティック回帰分析や重回帰分析は時間の情報(追跡期間中の打切りを含む生存時間データ)を直接扱う手法ではなく、Kruskal-Wallis検定は3群以上の順位データの比較に用いる手法であり、いずれも本設問のような時間依存性のイベント発生を扱う解析には適さない。