65歳女性。
脳血管疾患の既往無し。
数年前より軽度認知障害があり、CT検査で大脳皮質の萎縮が認められ、アルツハイマー病と診断された。
下記の処方で服薬は正しくなされていた。
最近、見当識障害や判断能力が悪化し、日常生活に介助が必要となることが多くなったため、心配した家族に同伴されて病院を受診した。
本患者の今後の薬物治療方針として正しいのはどれか。
2つ選べ。
(処方)
ドネペジル塩酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4。
アルツハイマー病でドネペジル5mgによる治療を行っていたにもかかわらず認知機能(見当識・判断能力)の低下が進行していることから、高度への病状進行が疑われ、ドネペジルは高度のアルツハイマー型認知症では5mgで4週間以上経過後に10mgまで増量できるため増量を検討する。
メマンチン塩酸塩はNMDA受容体拮抗薬であり、コリンエステラーゼ阻害薬とは異なる作用機序を持つため、中等度~高度のアルツハイマー病においてドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬と併用することができる。
リバスチグミンやガランタミンはドネペジルと同じコリンエステラーゼ阻害薬であり、同種薬の重複投与は相加的な副作用(消化器症状等)のリスクを高めるだけで有用性に乏しく推奨されない。
メチルフェニデートは中枢刺激薬でナルコレプシーやADHD治療薬でありアルツハイマー病の治療には用いない。