下図は、ある疾患に対して使用可能な2つの薬剤による治療の費用対効果を比較するために作成した決定樹(判断樹)モデルである。
治療プログラム(薬物治療)の経済評価において、このようなモデルを用いた分析の特徴として正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図:決定樹モデル。薬物療法の選択→薬剤Aを使う→有効(0.7):効果0.4 QALY・費用2,000円/無効(0.3):効果0.2 QALY・費用4,000円。薬物療法の選択→薬剤Bを使う→有効(0.6):効果0.4 QALY・費用1,500円/無効(0.4):効果0.2 QALY・費用3,500円。)
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4。
決定樹(判断樹)モデルを用いた医療経済評価は、比較する治療法や評価期間、パラメータなどを解析の目的や状況に応じて柔軟に設定できる(選択肢1正)。
また、既存の臨床試験データや疫学データ、専門家の意見などに基づく確率や効用値、費用の仮定を組み合わせてアウトカムをシミュレーションする手法である(選択肢4正)。
決定樹モデルは既存文献データの統合によって構築されることが多く、新たな臨床研究と一体化してリアルタイムにデータを収集するものではないため選択肢2は誤り。
モデルの構造設定やパラメータ・データソースの選択には評価者の判断が介在するためバイアスが生じうるのであり、バイアスが発生しないとする選択肢3は誤り。
モデルによる解析は既存データを活用するため、新たな臨床試験の実施に比べて短期間・低コストで実施できる点が大きな利点であり、臨床試験と同程度の時間と費用を要するとする選択肢5は誤り。