賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 物件が既に契約済みで、取引できなくなっているにもかかわらず、そのままインターネットに広告表示を続けることは、不動産の表示に関する公正競争規約(平成17年公正取引委員会告示第23号)によれば、おとり広告となる。
イ おとり広告は、不動産の表示に関する公正競争規約に違反するが、宅地建物取引業法に違反するものではない。
ウ 空室が出た1か月後に、宅地建物取引業者である賃貸住宅管理業者が賃貸借契約の媒介を行った場合、賃貸人と賃借人の双方の承諾がある場合に限り、賃貸人と賃借人それぞれから賃料の1か月分の1.10倍に相当する額を報酬として受領することができる。
エ 令和6年4月以降に建築確認申請が行われた建築物について、賃貸事業を営む賃貸住宅の所有者には、広告物に省エネ性能を示すラベルを表示する努力義務が課せられる。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は、入居者募集時の広告規制(おとり広告)、媒介報酬の上限、省エネ性能表示を問うています。
誤っている記述の組合せを答えるので、【記述別解説】の○×は記述そのものの正誤を表します。
【記述別解説】
ア:○ 契約済みの物件の広告を続けることは、おとり広告に当たります。
不動産の表示に関する公正競争規約は、実際には取引できない物件の表示をおとり広告として禁止しています(同規約21条)。
契約済みで取引できなくなった物件をインターネット上に掲載し続けることも、これに当たります。
イ:× おとり広告は、宅地建物取引業法にも違反します。
取引できない物件の広告は、宅地建物取引業法32条の誇大広告等の禁止に違反するとされています。
公正競争規約だけでなく、宅建業法上の監督処分や罰則の対象にもなります。
ウ:× 居住用建物の賃貸借の媒介報酬は、双方から受け取る合計で賃料の1か月分の1.1倍が上限です。
依頼者の一方から受け取れる額は、その承諾がある場合を除き、賃料の0.55か月分までです。
双方の承諾があっても、それぞれから1.1か月分ずつ受け取ることはできません。
長期間使用されていない空家等の特例もありますが、空室が出て1か月後の物件は対象になりません。
エ:○ 賃貸事業者には、広告物に省エネ性能ラベルを表示する努力義務があります。
2024年4月から、新築建築物の販売・賃貸の広告等に省エネ性能を表示する制度が始まりました(建築物省エネ法)。
賃貸事業を営む所有者も、広告物にラベルを表示するよう努めなければなりません。
誤っている記述はイとウなので、正解は3です。
【ポイント】
居住用建物の賃貸借の媒介報酬は「双方の合計で1.1か月分」が上限です。
おとり広告は、公正競争規約と宅建業法の両方で規制されている点に注意しましょう。