正答2
解説
正解は2です。
滞納賃料の回収と明渡しの法的手続(支払督促・少額訴訟・公正証書)と、弁護士法との関係を問う問題です。
この問題は不適切なものを選ぶので、○ が答え(不適切な記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 適切な記述なので、答えにはなりません。
管理受託方式の管理業者は、賃料債権の権利者ではありません。
貸主に代わって管理業者の名前で賃料を請求することは、他人の法律事件を扱う行為として弁護士法72条に抵触する可能性があります。
2:○ 「異議の申立てをしなかった場合、確定判決と同一の効力を有する」という部分が不適切です。
支払督促に異議が出されなくても、それだけでは確定判決と同一の効力は生じません。
債権者が仮執行宣言の申立てをし、仮執行宣言付支払督促の送達後2週間以内に異議がなかったときに、初めて確定判決と同一の効力を持ちます(民事訴訟法396条)。
3:× 適切な記述なので、答えにはなりません。
少額訴訟(60万円以下の金銭の支払請求)の判決に異議が出されると、同じ簡易裁判所で通常の手続により審理されます。
支払督促に異議が出されると通常訴訟に移行し、請求額が140万円を超える場合は地方裁判所で審理されます。
4:× 適切な記述なので、答えにはなりません。
公正証書(執行証書)で強制執行できるのは、金銭の一定額の支払などを目的とする請求に限られます(民事執行法22条5号)。
建物明渡しの強制執行には、確定判決や和解調書などの別の債務名義が必要です。
【ポイント】
支払督促は、異議がなければ仮執行宣言が付され、さらに2週間異議がなければ確定判決と同一の効力を持つ、という2段階の流れを押さえましょう。
公正証書で建物明渡しの強制執行ができない点も、頻出の論点です。