正答3
解説
正解は3です。
賃貸借における借主の義務と、債務不履行責任の範囲を問う問題です。
この問題は最も不適切なものを選ぶので、○ が答え(不適切な記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 適切な記述です。
賃借物が修繕を要するときは、借主は遅滞なくその旨を貸主に通知しなければなりません(民法615条)。
貸主がすでに知っている場合は、通知は不要です。
2:× 適切な記述です。
承諾を得た転貸であっても、転借人は借主の履行補助者と同様に扱われます。
転借人の過失で建物を損傷すれば、借主は貸主に対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負います。
3:○ 不適切な記述です。
失火責任法は、重過失がなければ責任を負わないとしていますが、これは不法行為責任についての規定です。
借主は善管注意義務をもって物件を保管し返還する契約上の義務を負うので、軽過失による失火でも債務不履行責任を負います(最判昭和30年3月25日)。
4:× 適切な記述です。
契約にペット飼育禁止の定めがなくても、通常許容される範囲を超える飼育は、用法遵守義務や善管注意義務に違反します。
信頼関係が破壊されたと認められれば、契約の解除が認められます。
【ポイント】
失火責任法は、近隣への延焼などの不法行為に適用され、貸主への返還義務という契約関係には適用されません。
このため、借主には借家人賠償責任保険への加入が勧められます。