宅地建物取引業者の業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 自ら売主として販売する宅地又は建物の広告に取引態様の別を明示しなかった場合は、罰則の対象とはならないが監督処分の対象となり、宅地又は建物の規模について著しく事実に相違する表示をした場合は、罰則の対象にも監督処分の対象にもなる。
イ 自ら売主として土地付建物の売買契約を締結しようとする場合、当該土地上に建てようとする建物が建築確認申請前であっても、広告することはできるが、建築確認を受けるまで、契約を締結することはできない。
ウ 宅地建物取引業者は、自ら売主として、宅地建物取引業者である買主との間で、自ら所有しない造成前の宅地の売買契約を締結するためには、法第41条の規定による手付金等の保全措置を講じ、かつ、売主である宅地建物取引業者が当該宅地を取得する契約を締結しなければならない。
エ 宅地建物取引業者は、宅地の売買の専属専任媒介契約を締結した場合、当該媒介契約締結の日から5日以内(休業日を除く。)に、当該宅地について指定流通機構に所定の事項を登録しなければならない。
正答2
解説
正解は2です。
広告に関する規制(取引態様の明示・誇大広告・広告開始時期)と、業者間取引、指定流通機構への登録を問う問題です。
【記述別解説】
ア:○ 取引態様の明示義務(宅建業法34条)の違反は、指示処分・業務停止処分の対象ですが、罰則はありません。
誇大広告の禁止(同法32条)の違反は、監督処分の対象であるうえ、6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金の罰則もあります。
イ:× 建築確認を受ける前は、その建物について広告をすることもできません(宅建業法33条)。
契約の締結ができないとする点は正しい(同法36条)のですが、広告はできるとする点が誤りです。
ウ:× 自己の所有に属しない物件の契約締結の制限(宅建業法33条の2)や手付金等の保全措置(同法41条)は、買主が宅建業者の場合には適用されません(同法78条2項)。
したがって、宅建業者である買主との契約で、保全措置や取得契約を要件とする本記述は誤りです。
エ:○ 専属専任媒介契約を締結したときは、契約締結の日から5日以内(休業日を除く)に指定流通機構に登録しなければなりません(宅建業法34条の2第5項、同法施行規則)。
正しい記述はアとエの二つなので、正解は2です。
【ポイント】
広告開始時期の制限と契約締結時期の制限は、どちらも建築確認・開発許可等の「後」でなければできません。
いわゆる8種制限は、業者間取引には適用されません。