A、B及びCがそれぞれ3分の1の持分の割合で甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
なお、甲土地を分割しない旨の契約は存在しないものとする。
正答2
解説
正解は2です。
共有物の保存行為、持分放棄、共有物分割、共有者の一人による占有を問う問題です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 無権利者の不実登記の抹消請求は保存行為に当たり、各共有者が単独ですることができます(民法252条5項)。
よって、本肢は正しい記述です。
2:○ 共有者の一人が持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属します(民法255条)。
国庫に帰属するのではないので、本肢は誤りです。
なお、国庫に帰属するのは、相続人のいない相続財産が残った場合などです。
3:× 判例(最判平成25年11月29日)は、遺産共有持分と他の共有持分が併存する場合、共有物分割の訴えによるとしています。
相続人でないB・Cは、遺産分割の前でもE・Fに対して共有物分割の訴えを提起できるので、本肢は正しい記述です。
4:× 各共有者は持分に応じて共有物の全部を使用できるので(民法249条1項)、他の共有者は当然には明渡しを求められません。
判例も、少数持分権者に対する明渡し請求には明渡しを求める理由の主張立証が必要としており、本肢は正しい記述です。
【ポイント】
持分を放棄した場合、その持分は他の共有者に帰属します。
共有者が相続人なく死亡した場合は、特別縁故者への分与が優先し、分与されなかったときに他の共有者に帰属します(判例)。
不実登記の抹消は保存行為として単独でできる点も頻出です。