AはBに対し、自己所有の甲土地を売却し、代金と引換えにBに甲土地を引き渡したが、その後にCに対しても甲土地を売却し、代金と引換えにCに甲土地の所有権登記を移転した。
この場合におけるBによる甲土地の所有権の時効取得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
取得時効の要件である占有の継続、所有の意思、時効取得と登記の関係が問われています。
【選択肢別解説】
1:× 賃貸して引き渡しても、Bは占有を失いません。
Bは賃借人Dを通じて代理占有(間接占有)を続けているので、時効取得が可能です(民法181条)。
2:○ 占有を奪われても、占有回収の訴えを提起すれば占有権は消滅しません(203条ただし書)。
判例は、訴えにより占有を回復した場合、占有は継続していたものとして扱うとしています。
3:× 所有の意思は、占有を取得した原因により外形的・客観的に判断されます。
買主として引渡しを受けたBは、後に二重譲渡を知っても自主占有を失いません。
4:× Cは時効完成時の所有者なので、Bは登記なしにCへ対抗できます。
時効取得者と時効完成時の所有者とは、物権変動の当事者と同様の関係に立つからです(最判昭和41年11月22日)。
【ポイント】
登記が必要になるのは、時効完成「後」に所有者から譲り受けた第三者との関係です。
時効完成「前」の第三者には登記なしで対抗できる点が頻出です。