宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業者Bから所有の建物の売却を依頼され、Bと一般媒介契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはいくつあるか。
ア 本件契約を締結する際に、Bから有効期間を6か月としたい旨の申出があったが、AとBが協議して、有効期間を3か月とした。
イ 当該物件に係る買受けの申込みはなかったが、AはBに対し本件契約に係る業務の処理状況の報告を口頭により14日に1回以上の頻度で行った。
ウ Aは本件契約を締結した後、所定の事項を遅滞なく指定流通機構に登録したが、その登録を証する書面を、登録してから14日後にBに交付した。
エ 本件契約締結後、1年を経過しても当該物件を売却できなかったため、Bは売却をあきらめ、当該物件を賃貸することにした。
そこでBはAと当該物件の貸借に係る一般媒介契約を締結したが、当該契約の有効期間を定めなかった。
正答4
解説
正解は4です。
一般媒介契約に対する宅建業法34条の2の規制を問う問題です。
この問題は宅建業法に違反しない記述の数を答えるので、○ は違反しないことを表します。
有効期間、業務処理状況の報告、指定流通機構への登録の義務は、専任媒介契約にだけ課されています。
【記述別解説】
ア:○ 有効期間を3か月以内とする制限は専任媒介契約に関するものです(宅建業法34条の2第3項)。
一般媒介契約には有効期間の制限がないので、3か月としても違反しません。
イ:○ 業務処理状況の報告義務は専任媒介契約に課されるもので(宅建業法34条の2第9項)、一般媒介契約にはありません。
口頭で14日に1回以上報告しても違反しません。
ウ:○ 指定流通機構への登録と登録を証する書面の引渡しの義務は専任媒介契約に課されるものです(宅建業法34条の2第5項・6項)。
一般媒介契約で任意に登録し、14日後に書面を交付しても違反しません。
エ:○ 宅建業法34条の2の規制は、宅地建物の売買・交換の媒介契約に適用されます。
貸借の媒介契約には適用されないので、有効期間を定めなくても違反しません。
ア〜エはいずれも違反しないので、違反しないものは四つです。
よって正解は4です。
【ポイント】
一般媒介契約でも、媒介契約書面の交付や売買すべき価額に意見を述べるときの根拠の明示は必要です。
専任媒介契約に固有の義務と、一般媒介契約にも共通する義務を区別しましょう。