被相続人Aの配偶者Bが、A所有の建物に相続開始の時に居住していたため、遺産分割協議によって配偶者居住権を取得した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
2020年4月施行の相続法改正で新設された配偶者居住権の問題です。
配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に居住していた建物に無償で住み続けられる権利です。
【選択肢別解説】
1:○ 存続期間を定めた場合は、その期間の満了で配偶者居住権は消滅します(民法1036条・597条1項)。
存続期間の延長や更新はできないと解されています。
延長を認めると、所有者が取得した建物の価値が後から変わってしまうからです。
2:× 配偶者は、建物所有者の承諾を得なければ第三者に使用・収益させることができません(民法1032条3項)。
承諾なく賃貸することはできません。
3:× 配偶者居住権は配偶者の死亡によって消滅します(民法1036条・597条3項)。
一身専属的な権利なので、Bの相続人Cが相続することはありません。
4:× 配偶者居住権を第三者に対抗するには登記が必要です(民法1031条2項・605条)。
登記がなければ建物の譲受人Dに対抗できません。
なお、建物所有者は配偶者に登記を備えさせる義務を負います(民法1031条1項)。
【ポイント】
配偶者居住権は、譲渡できない、死亡で消滅する、対抗要件は登記、という3点が頻出です。
建物の引渡しでは対抗できない点で、借家権とは異なります。