Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合におけるBのAに対する代金債務(以下「本件代金債務」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
受領権限のない者への弁済の効力(出題当時の民法478条・479条)と、同時履行の抗弁権が問われています。
【選択肢別解説】
1:○ 受領権限のない者への弁済でも、債権者が利益を受けた限度で効力を有します(旧民法479条)。
Cが受領した代金をAに引き渡したのならAは利益を受けているので、Bに過失があっても弁済は有効になります。
2:× 正しい記述です。
債権者の代理人と称する者(詐称代理人)も「債権の準占有者」に当たります(最判昭和37年8月21日)。
弁済者が善意無過失であれば、その弁済は有効です(旧民法478条)。
3:× 正しい記述です。
相続人と称する者(表見相続人)も債権の準占有者に当たります。
Bが善意無過失であれば、Eへの弁済は有効です(旧民法478条)。
4:× 正しい記述です。
売買の代金債務と目的物の引渡債務は、同時履行の関係にあります(民法533条)。
履行期を過ぎていても、Aが引渡しの提供をしない限り、Bは代金の支払を拒めます。
【ポイント】
現行法では「債権の準占有者」は「受領権者としての外観を有するもの」と改められました(民法478条)。
善意無過失で弁済すれば有効になるという結論は変わりません。