事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り瑕疵担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分に瑕疵が存在しており、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
売主の瑕疵担保責任(出題当時の民法570条・566条)の内容と、責任を制限する特約の効力が問われています。
売主が知りながら告げなかった瑕疵については、責任を制限する特約があっても責任を免れません(旧民法572条)。
【選択肢別解説】
1:○ Aは瑕疵を知りながら告げなかったので、「引渡しから3か月に限る」という特約は適用されません(旧民法572条)。
そのため、原則どおり買主が瑕疵を知った時から1年以内であれば、BはAに瑕疵担保責任を追及できます(旧民法570条・566条3項)。
2:× 瑕疵担保責任による解除は、瑕疵のために契約の目的を達することができない場合に限られます(旧民法566条1項)。
構造耐力上主要な部分の瑕疵であっても、この要件は変わりません。
3:× 損害賠償請求は、解除できない場合に限られません。
契約の目的を達成できずに解除する場合でも、解除とあわせて損害賠償を請求できます(旧民法566条1項)。
4:× 瑕疵担保責任を負うのは売主であり、媒介をしたにすぎない宅建業者Cは負いません。
Cに対しては、媒介契約上の義務違反があれば債務不履行責任を問えるにとどまります。
【ポイント】
現行法では、瑕疵担保責任は「契約不適合責任」に改められました。
種類・品質の不適合は、買主が知った時から1年以内に売主へ通知すれば権利が保全されます(民法566条)。
知りながら告げなかった事実について責任を免れない点(民法572条)は、現行法でも同じです。