宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、Bが所有する建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とし、1か月分の借賃を10万円(消費税等相当額を含まない。)、CからBに支払われる権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものであり、消費税等相当額を含まない。)を150万円とする定期建物賃貸借契約を成立させた。
この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
貸借の媒介における報酬の上限、居住用以外の建物での権利金の扱い、広告料、定期建物賃貸借の再契約を問う問題です。
出題当時の消費税率8%で計算します。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
貸借の媒介の報酬は、依頼者双方から受け取る合計額が借賃1か月分の1.08倍が上限です。
双方から10万8,000円ずつ、合計21万6,000円を受け取ることはできません。
居住用以外の建物では権利金を売買代金とみなす計算もできますが、その場合でも合計16万2,000円が上限です。
2:× 誤りです。
権利金の額を売買代金とみなして報酬を計算できるのは、居住用建物以外の貸借の場合に限られます。
居住用建物では借賃を基準に計算しなければなりません。
3:× 誤りです。
報酬とは別に広告料金を受け取れるのは、依頼者の依頼によって行った広告の料金に限られます。
Bからの依頼に基づかない広告であれば、契約成立に寄与していても請求できません。
4:○ 正しい記述です。
定期建物賃貸借の再契約は、従前の契約とは別の新たな賃貸借契約です。
宅建業者が媒介して再契約を成立させた場合も、宅建業法の報酬規制が適用されます。
【計算】
借賃基準の上限(合計):10万円×1.08=10万8,000円です。
権利金基準の一方からの上限:150万円×5%×1.08=8万1,000円です。
権利金基準の合計:8万1,000円×2=16万2,000円です。
したがって、店舗用でも双方から各10万8,000円(合計21万6,000円)は上限を超えます。
【ポイント】
貸借の報酬は「合計で借賃1か月分」が上限です。
居住用建物の場合は、依頼者の承諾がない限り一方から借賃の0.5か月分までに制限されます。
現行の消費税率10%では、借賃基準の上限は借賃の1.1倍となります。