正答2
解説
正解は2です。
時効を援用できる「当事者」の範囲と、時効完成後の債務承認の効果を問う問題です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 正しい記述です。
時効の利益の放棄は放棄した者についてだけ効力を生じます(相対効)。
保証人は主たる債務の消滅時効を援用できる当事者なので、主債務者が放棄しても援用できます。
2:○ 誤った記述です。
判例は、後順位抵当権者は先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用できないとしています(最判平11.10.21)。
順位上昇による配当増加は反射的な利益にすぎず、時効により直接利益を受ける者に当たらないためです。
3:× 正しい記述です。
判例は、詐害行為の受益者は取消債権者の被保全債権の消滅時効を援用できるとしています(最判平10.6.22)。
被保全債権が消滅すれば、受益者は取消しによる利益喪失を免れるからです。
4:× 正しい記述です。
判例は、時効完成後に債務を承認した債務者は、完成の事実を知らなかったときでも信義則上援用できないとしています(最大判昭41.4.20)。
相手方は債務者がもう時効を援用しないと信頼するからです。
【ポイント】
援用できる者とできない者の対比が頻出です。
保証人・物上保証人・第三取得者・詐害行為の受益者は援用でき、後順位抵当権者は援用できません。
現行法の民法145条も、保証人・物上保証人・第三取得者など権利の消滅について正当な利益を有する者を当事者に含めています。