A所有の甲土地につき、平成29年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
土地の賃貸借について、建物所有目的なら借地借家法、それ以外なら民法が適用されることを前提に、対抗力・存続期間・地代・定期借地権を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 同じ土地に複数の賃借権が設定された場合、優劣は契約の先後ではなく対抗要件を備えた先後で決まります。
建物所有目的の借地権は、借地権の登記か借地上の登記された建物で対抗力を備えます(民法605条、借地借家法10条1項)。
2:○ 居住用建物の所有目的なら借地権であり、30年未満の期間を定めても存続期間は30年となります(借地借家法3条)。
資材置場として更地で使う目的なら借地借家法は適用されず、当時の民法604条(上限20年)の範囲内なので約定どおり10年です。
3:× 借地借家法11条1項ただし書は、一定期間地代を増額しない特約のみ増額請求を排除できるとしています。
増額する旨の特約があっても、事情の変更で地代が不相当になったときは増減額請求ができると解されています(判例)。
4:× 一般定期借地権(借地借家法22条)は、公正証書等の書面で特約をすれば足ります。
契約前に書面を交付して説明する義務があるのは、定期建物賃貸借(同法38条)の場合です。
【ポイント】
現行民法604条では、賃貸借の存続期間の上限は50年に延長されています。
事前の書面交付・説明が必要なのは定期建物賃貸借で、定期借地権には必要ないという対比は頻出です。