2017年度 宅地建物取引士試験 問8
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。
正答2
解説
正解は2です。 連帯債務者の一人に生じた事由が、他の連帯債務者に効力を及ぼすか(絶対効か相対効か)を問う問題です。 出題当時の民法(2020年改正前)を前提に判断します。 【選択肢別解説】 1:× 当時の民法では、連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者にも効力を生じました(旧民法434条)。 BとCが知らなくても、その効力は及びます。 2:○ 連帯債務者の一人が債権者に対する債権で相殺したときは、その範囲で債権はすべての連帯債務者の利益のために消滅します(旧民法436条1項)。 B及びCの債務も200万円が消滅します。 3:× 時効の完成は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者の利益のために効力を生じました(旧民法439条)。 A及びCの債務はBの負担部分300万円の限度で消滅するにとどまり、全部消滅するわけではありません。 4:× 判例は、連帯債務者が自己の負担部分を超えない額を弁済した場合でも、他の連帯債務者に負担割合に応じて求償できるとしています。 Cは100万円の弁済について、A及びBに求償できます。 【ポイント】 現行法では、履行の請求と時効の完成は相対効に改められました(民法441条)。 そのため、現行法では選択肢1の記述は原則として正しくなり、選択肢3も他の債務者の債務は消滅しません。法改正による注意
正答と採点は出題当時の正解によります。
肢1は、2020年4月施行の改正民法により、現行法では正しい記述です。改正前は、連帯債務者の一人に対する履行の請求は他の連帯債務者にも効力を生じました(絶対効)。現行法では、債権者と他の連帯債務者が別段の意思表示をした場合を除き、他の連帯債務者には効力を生じません(相対効)。現行法では正しいものは肢1と肢2の2つになり、この問題は成立しません。 根拠:民法第441条(2020年4月1日施行) (2026年10月時点の法令による)