Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。
この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○が答え(誤った記述)です。
抵当権の効力が及ぶ範囲、法定地上権、順位の変更、抵当権消滅請求を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 正しい記述です。
抵当権設定時に土地と建物が同じ所有者に属していれば、競売によって法定地上権が成立します(民法388条)。
設定後に建物がCに譲渡されていても、法定地上権の成立は妨げられません。
したがって、Dは建物所有者Cに土地の明渡しを求めることはできません。
2:○ 誤った記述です。
土地と建物は別個の不動産なので、土地の抵当権の効力は建物には及びません(民法370条)。
建物の火災保険金は土地の価値が形を変えたものではないので、物上代位(民法372条・304条)の対象になりません。
Bは、土地の抵当権に基づいて建物の保険金を請求することはできません。
3:× 正しい記述です。
抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更できます(民法374条1項)。
債務者や抵当権設定者であるAの同意は不要です。
ただし、利害関係を有する者がいるときはその承諾が必要です(同項ただし書)。
また、順位の変更は登記をしなければ効力を生じません(同条2項)。
4:× 正しい記述です。
抵当不動産の所有権を取得した第三者(第三取得者)は、抵当権消滅請求ができます(民法379条)。
その際は、民法383条所定の書面を登記をした各債権者に送付します。
甲土地を買い受けたFは第三取得者なので、消滅請求ができます。
【ポイント】
物上代位で押さえられる保険金は、抵当権の目的物そのものに掛けられた保険金に限られます。
順位の変更に債務者の同意は不要ですが、登記は効力発生要件です。