正答2
解説
正解は2です。
症例の要点は、ストレスの多い仕事、腹痛と下痢、1日数回の排便、器質的な病変がないことです。
これらから下痢型の過敏性腸症候群が考えられます。
過敏性腸症候群では、ストレスにより脳と腸の相互作用が乱れ、腸の運動異常と知覚過敏が起こります。
【選択肢別解説】
1:× 消化管からの分泌亢進は、過敏性腸症候群ではなく分泌性下痢の機序です。
コレラなどの細菌毒素や一部のホルモン産生腫瘍で、腸液の分泌が増えて下痢になります。
2:○ 消化管運動の亢進は、過敏性腸症候群の下痢の主な機序です。
ストレスによって大腸の運動が強まり、内容物が速く通過するため、水分が十分吸収されずに下痢になります。
3:× 過敏性腸症候群では、消化管の知覚閾値は上昇ではなく低下しています。
腸が刺激に敏感になっているため、わずかな伸展でも腹痛を感じます。
4:× 消化管を支配する交感神経の機能が亢進すると、消化管運動は抑えられます。
消化管の運動を促すのは副交感神経なので、交感神経の亢進は下痢の機序として合いません。
【ポイント】
過敏性腸症候群は、器質的な異常がないのに腹痛と便通異常が続く機能性疾患です。
便の性状により、下痢型・便秘型・混合型などに分けられます。