「71歳の男性。100mの歩行で左下腿後面に絞扼痛が出現、休息で軽快。仰臥位で両下肢を挙上させ30秒足趾を屈伸させると患側足底部が白くなる。SLRテスト陰性。」
本症例で、症状のある筋の支配神経近傍に刺鍼し、低周波鍼通電療法を行う場合、最も適切な経穴はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
症例は閉塞性動脈硬化症による血管性間欠跛行で、歩行時に痛むのは下腿後面の筋です。
下腿後面の主な筋は下腿三頭筋で、支配神経は脛骨神経です。
この問題は、脛骨神経の走行の近くにある経穴を選ぶ問題です。
【選択肢別解説】
1:× 陰廉の近くを通るのは脛骨神経ではなく、内転筋群を支配する閉鎖神経です。
陰廉は大腿内側で、気衝の下方2寸に取ります。
2:○ 委中は脛骨神経の走行の上にある経穴です。
膝窩横紋の中点に取り、その深部を脛骨神経が通るため、下腿三頭筋への低周波鍼通電療法に適しています。
3:× 足三里の近くを通るのは脛骨神経ではなく深腓骨神経です。
足三里は犢鼻と解渓を結ぶ線上で、犢鼻の下方3寸の前脛骨筋上に取ります。
4:× 陽陵泉の近くを通るのは脛骨神経ではなく総腓骨神経です。
陽陵泉は腓骨頭前下方の陥凹部に取ります。
【ポイント】
坐骨神経は膝窩の上方で脛骨神経と総腓骨神経に分かれ、脛骨神経は膝窩の中央、総腓骨神経は腓骨頭の下を通ります。
下腿後面の筋には委中、下腿外側の筋には陽陵泉が神経近傍の刺鍼部位としてよく用いられます。