「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」
最も可能性の高い疾患はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
症例の所見から、急性の膝関節炎の原因を推定する問題です。
「83歳の高齢女性」「昨夜からの急な左膝痛と38℃の発熱」「熱感・腫脹・膝蓋跳動(関節液の貯留)」「関節液の偏光顕微鏡観察で異常」が手がかりです。
偏光顕微鏡は結晶を見るための検査なので、結晶が見つかったと読み取ります。
【選択肢別解説】
1:× 化膿性関節炎も急性の発熱と関節炎を起こします。
しかし細菌感染による病気なので、診断は関節液の培養やグラム染色で行い、偏光顕微鏡で異常がみられる病気ではありません。
2:× 関節リウマチは、手指などの小関節に左右対称に起こる慢性の多関節炎です。
高齢者の膝に一晩で起こった単関節炎と、関節液中の結晶という所見には合いません。
3:○ 偽痛風は、ピロリン酸カルシウムの結晶が関節に沈着して起こる結晶誘発性関節炎です。
高齢者の膝に急性の単関節炎として起こり、発熱を伴うこともあり、関節液の偏光顕微鏡でこの結晶がみられます。
4:× 変形性膝関節症は、関節軟骨のすり減りによる慢性の病気です。
一晩で発熱を伴って急性に悪化するものではなく、関節液に結晶は通常みられません。
【ポイント】
偽痛風は高齢者の膝、痛風は中年男性の足の親指の付け根に多い結晶誘発性関節炎です。
痛風の結晶は尿酸ナトリウムの針状結晶です。