次の文で示す症例に対する鍼灸の効果を評価するのに最も適切なのはどれか。
「62歳の女性。主訴は肩こり。半年ほど前から興味や喜びがわかなくなり、食欲が減退し、よく眠れず朝早く目が覚める。疲れやすく思考力が低下している。幻覚や記憶の障害はなく、動悸、めまいもない。」
正答2
解説
正解は2です。
主訴は肩こりですが、興味や喜びの喪失、食欲減退、早朝覚醒、易疲労、思考力の低下がみられます。
これらはうつ病の典型的な症状で、幻覚や記憶障害がない点から精神病や認知症は否定的です。
したがって、うつ症状の程度を評価する尺度で効果を判定するのが適切です。
【選択肢別解説】
1:× 改訂長谷川式簡易知能評価スケールは認知症のスクリーニング検査です。
本症例は記憶障害がなく、うつ症状の評価には用いません。
2:○ ハミルトン評価尺度(ハミルトンうつ病評価尺度)は、うつ病の重症度を面接で評価する尺度です。
抑うつ気分や睡眠、食欲などを点数化でき、治療効果の判定に適しています。
3:× タイムドアップアンドゴーテストは、椅子から立ち上がり3m歩いて戻るまでの時間を測る検査です。
移動能力や転倒リスクの評価法で、うつ症状は評価できません。
4:× ロコモ度テストは、立ち上がりテストや2ステップテストなどで運動器の機能低下を評価する検査です。
うつ症状の評価には用いません。
【ポイント】
うつ病の中核症状は抑うつ気分と興味・喜びの喪失で、早朝覚醒や食欲低下をよく伴います。
評価尺度は、認知症なら長谷川式、うつならハミルトン、運動機能ならTUGやロコモ度テストと対応させます。