次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。
「24歳の男性。主訴は頭から上の痒み。以前からアトピー性皮膚炎による痒みがあったが、症状の変化が激しくなってきた。悪化すると滲出性になる。普段から甘いものを好み、過食すると悪化する。舌苔は白膩、脈は滑。」
正答2
解説
正解は2です。
甘いものを好み、過食で悪化する点は脾の運化(飲食物を消化して運ぶ働き)の失調を示します。
滲出性になること、舌苔白膩、脈滑は体内に湿がたまっている所見です。
したがって脾の運化を高めて湿を化す方針が適切です。
【選択肢別解説】
1:× 風寒の邪を除く方針は、寒冷で悪化し、悪寒や浮緊の脈を伴う場合のものです。
本症例は過食で悪化し、白膩苔・滑脈という湿の所見なので合いません。
2:○ 過食による運化失調で生じた湿が、滲出性の皮疹や白膩苔・滑脈として現れています。
運化作用を高めて湿を化すことが根本的な治療になります。
3:× 血を養い燥を潤す方針は、皮膚の乾燥や落屑、舌淡などを伴う血虚・燥証に用います。
本症例は乾燥ではなく滲出がみられるため逆の病態です。
4:× 血熱を除く方針は、鮮紅色の発疹や灼熱感、舌紅、数脈を伴う場合のものです。
本症例の舌苔は白膩で脈は滑であり、熱の所見が乏しいため合いません。
【ポイント】
膩苔と滑脈は湿(痰湿)の代表的な所見です。
皮膚症状では「滲出性なら湿、乾燥なら血虚・燥」と見分けます。