正答4
解説
正解は4です。
腎の病証のうち、尿の漏れに関わる病証を判断する問題です。
症例は82歳の高齢女性で、腰痛に加えて頻尿と、くしゃみ時の尿失禁があります。
腎気には尿や精を漏らさないように留める固摂作用があり、これが弱ると尿が漏れやすくなります。
【選択肢別解説】
1:× 腎陽虚は、腎の温める働きが不足した病証です。
腰や膝の冷え、寒がり、むくみ、夜間頻尿がみられますが、冷えの所見が本症例には示されていません。
2:× 腎精不足は、生長発育や生殖を支える腎精が不足した病証です。
小児の発育遅延、早期の老化、耳鳴り、脱毛などが中心で、尿失禁は主症状ではありません。
3:× 腎不納気は、腎が肺から吸い込んだ気を納められない病証です。
呼気が多く吸気が少ない、動くと息切れが強まるなどの呼吸症状が中心です。
4:○ 腎気不固は、腎気の固摂作用が低下した病証です。
頻尿、尿失禁、遺尿、残尿感や、腰膝のだるさがみられ、本症例に合致します。
【ポイント】
腎の病証は、冷えがあれば腎陽虚、漏れがあれば腎気不固、呼吸困難なら腎不納気、発育や老化なら腎精不足と区別します。
高齢者のくしゃみ時の尿失禁は、腎気不固の代表的な症状です。