65 歳の男性。
右利き。
右頭頂葉の脳梗塞による片麻痺。
MMSE 19/30 点。
Brunnstrom 法ステージは上肢・手指、下肢ともにⅢ。
回復期リハビリテーション病棟で作業療法が開始された。
検査結果(別冊No. 1)を別に示す。
この患者が作業療法を開始したときに観察されるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
検査結果はBIT(Behavioural Inattention Test:行動性無視検査)の通常検査です。
6つの下位検査すべてで得点が低く、合計は32/146点で、カットオフ値の131点を大きく下回ります。
右頭頂葉の損傷とあわせると、左半側空間無視があると判断できます。
【選択肢別解説】
1:× 左半側空間無視では、皿の左側の食物を残します。
右側を残すのは右側を無視する場合で、本症例とは逆です。
2:× 本症例は左片麻痺です。
麻痺側で無視側でもある左側からは起き上がりにくく、通常は非麻痺側の右側から起き上がるほうが容易です。
3:○ 左側の空間に注意が向かないため、車椅子の駆動中に左側の壁や物にぶつかります。
左半側空間無視の典型的な生活上の所見です。
4:× 左側からの声かけや誘導には気づきにくく、反応は悪くなります。
誘導は右側から始めるほうが反応が良くなります。
5:× 左半側空間無視では注意が右側へ引きつけられます。
人が多い場面では右側の刺激に注意がそれやすくなります。
【ポイント】
BIT通常検査は146点満点で、カットオフ値は131点です。
右半球(特に頭頂葉)損傷では左半側空間無視が起こり、食事・車椅子駆動・更衣などの左側の見落としとして現れます。