68 歳の女性。
くも膜下出血後の四肢麻痺のため作業療法を行っている。
現在、 四肢の麻痺は、ほぼ認めない。
高次脳機能障害が残存し MMSE を実施した。
結果 (別冊No. 1) を別に示す。
次に行う検査で最も優先されるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
くも膜下出血後に四肢の麻痺はほぼ消失していますが、高次脳機能障害が残っています。
別冊の図形模写では、2つの五角形の見本に対し、紙面の右寄りに右端の輪郭らしい線を少し描いただけです。
図形の左側が描かれておらず、左半側空間無視が疑われます。
別冊の MMSE 得点表では、「眼を閉じなさい」の文を「なさい」と右端だけ読んでいます。
これも文の左側を見落とす所見で、左半側空間無視を裏付けます。
【選択肢別解説】
1:× AMPS(運動とプロセス技能評価)は ADL・IADL の遂行の質を評価する観察評価です。
無視の有無と程度を確かめる検査ではないため、優先度は低いです。
2:× BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)は計画・問題解決など遂行機能を評価する検査です。
本例で疑われる症状とは対象が異なります。
3:○ BIT(行動性無視検査)は線分抹消・模写・線分二等分などで半側空間無視を評価します。
模写で左側が欠けた所見を確かめるため、次に最も優先すべき検査です。
4:× RBMT(リバーミード行動記憶検査)は日常生活に即した記憶を評価する検査です。
本例の MMSE では3つの言葉の遅延再生が3点満点で、記憶障害の精査は優先されません。
5:× VPTA(標準高次視知覚検査)は視覚失認など視知覚障害を評価する検査です。
まず無視の有無を確かめるのが先です。
【ポイント】
図形模写や文章の読みで片側だけが欠けていれば、半側空間無視を疑い BIT で精査します。