63 歳の女性。
うつ病。
元来、働き者で、園芸や裁縫を楽しんでいた。
定年退職し、子どもの独立、親の死が続いたころから、趣味や家事をする気力がなくなり、 不眠と強い倦怠感を訴え、入院した。
薬物療法により症状が軽快し、 1 か月後には病棟内 ADL はほぼ自立したため作業療法が開始された。
作業療法の初期評価で最も適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
本例は喪失体験が重なって発症したうつ病で、薬物療法により病棟内の生活がほぼ自立した時期です。
作業療法の導入時は、負担をかけずに生活の様子を把握することから始めます。
【選択肢別解説】
1:× 独力の調理は、段取りや判断を多く要する負荷の高い活動です。
できなかった場合に自信を失わせるおそれがあり、初期評価の方法としては適しません。
2:× 疲労度を頻繁に尋ねると、本人の意識が症状に向き、かえって負担になります。
疲労は表情や活動量の観察で把握し、確認は必要な場面に限ります。
3:× 裁縫は以前の趣味ですが、意欲が戻らない段階で以前のように行えないと、失敗体験になりやすい活動です。
導入初期に作業遂行を観察する評価としては時期が早すぎます。
4:× 集団活動は対人的な刺激が多く、回復途中のうつ病患者には負担が大きくなります。
集団での評価は、個別の活動に慣れてから行います。
5:○ 日中をどのように過ごしているかを、本人や病棟スタッフから聞き取ります。
活動と休息のバランスや生活リズムが分かり、本人への負担も小さい評価です。
今後の活動の量や内容を決める基礎情報になるため、最も適切です。
【ポイント】
うつ病の作業療法の初期は、評価そのものが負担や失敗体験にならないよう配慮します。
面接や観察で生活リズムと休息の状況を把握することから始めましょう。